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GX推進法とは?概要や課題、カーボンニュートラルとの違いもわかりやすく解説

2024.09.10

GX推進法は、2050年のカーボンニュートラル実現と経済成長の同時達成を目指す、日本の脱炭素化に向けた基本法です。政府主導のGX推進戦略の策定、GX経済移行債による先行投資、成長志向型カーボンプライシングの導入など、さまざまな施策の枠組みを定めています。一方で、投資規模の拡大や、スピード感のある取り組みの必要性など、いくつかの課題も指摘されています。この記事では、GX推進法の概要と課題について、わかりやすく解説します。

GX推進法とは

GX推進法とは、2050年の温室効果ガス排出の実質ゼロの実現に向け、政府の脱炭素戦略を盛り込んだ法律です。10年間で官民あわせて150兆円を超える脱炭素投資を進めることで、国内企業の競争力強化や経済成長との両立を目指しています。

150兆円のうち20兆円を政府が支援する方針で、その財源調達のためGX経済移行債を発行します。企業の脱炭素の取り組みを促すためにカーボンプライシングの導入も法律に盛り込まれました。

GX(グリーントランスフォーメーション)とは

GX(グリーントランスフォーメーション)とは、カーボンニュートラルの実現に向け、化石燃料中心の現代社会をクリーンエネルギーによる社会へと変革していくこと、そのための取り組みを指します。

再生可能エネルギーの導入加速や、水素・アンモニアなど次世代の脱炭素燃料の普及、省エネの推進など、産業構造や社会システムの抜本的な変革を通じて脱炭素社会への移行を目指すものです。

GXとカーボンニュートラルの違い

カーボンニュートラルとは、企業活動や日常生活から排出される温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質的な排出量をゼロにすることを指します。

一方、GXはビジネス全体の持続可能性に焦点を当てた取り組みを指し、エネルギー効率や資源の再利用など、より広範な要素を含む概念です。

カーボンニュートラルが企業や製品の炭素排出量をゼロにすることに重点を置いているのに対し、GXは社会・経済システム全体の変革を通じて脱炭素社会を実現することを目指しています。

GX推進法における基本方針の概要

GX推進法は、2050年のカーボンニュートラル実現と産業競争力強化・経済成長の同時達成に向けた具体的な政策の枠組みを定めた法律で、以下の4つが重要な柱として盛り込まれています。

  • GX推進戦略の策定・実行
  • GX経済移行債の発行
  • 成長志向型カーボンプライシングの導入
  • GX推進機構の設立

以降では、それぞれの概要について詳しく解説します。

GX推進戦略の策定・実行

GX推進法では、産業活動において二酸化炭素等を排出せずに産業競争力を強化し経済成長を可能とする「脱炭素成長型経済構造」への移行を円滑に進めるため、政府が「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」(GX推進戦略)を策定・実行することを定めています。

GX推進戦略には、脱炭素成長型経済構造への移行に関する目標、基本的方向、具体的な施策が盛り込まれます。特に、高い政策効果が見込まれる事業分野、支援措置、その他重要事項が記載されます。また、GX経済移行債の発行、化石燃料賦課金・特定事業者負担金の賦課、GX推進機構による支援など、GX推進法の他の柱に関する内容も含まれます。

経済産業大臣が、他の関係行政機関の長と協議の上、GX推進戦略案を作成し、閣議決定を経て公表するプロセスが法律上定められています。これにより、政府全体で一貫性のあるGX推進施策を講じることが可能です。

GX経済移行債の発行

GX推進法では、脱炭素成長型経済構造への移行に向けた先行投資を支援するため、2023年度から10年間、政府がGX経済移行債を発行できると定めています。

GX経済移行債は、再生可能エネルギーや原子力等の非化石エネルギーへの転換、省エネ推進、資源循環・炭素固定技術等の研究開発など、GX推進戦略の実現に必要な投資への支援に充てられます。GX基本方針では、政府として20兆円規模の先行投資支援を実行する方針が示されています。

このGX経済移行債の償還には、後述する化石燃料賦課金と特定事業者負担金からなる成長志向型カーボンプライシングの収入が充てられており、政府は2050年までの償還を予定しています。

GX経済移行債の発行により、民間企業によるGX投資を呼び込み、脱炭素成長型経済構造への移行を加速させることが期待されています。一方で、具体的な投資先や金額規模、時間軸等について、より明確な戦略が必要との指摘もあります。

成長志向型カーボンプライシングの導入

GX推進法では、GX経済移行債の償還原資を確保し、GX投資をさらに促進するため、成長志向型カーボンプライシングの導入を定めています。これは、化石燃料賦課金と特定事業者負担金の2つの制度からなるものです。

化石燃料賦課金は、2028年度から導入され、原油・石油製品・天然ガス・石炭(原油等)の採取・輸入事業者に対して、原油等に由来する二酸化炭素排出量に応じて課されます。賦課金単価は、石油石炭税と再エネ賦課金の合計から特定事業者負担金を控除した額が上限とされ、企業や国民の負担を最小限に抑える配慮がなされています。

特定事業者負担金とは2033年度から導入される排出量取引制度に関連するもので、二酸化炭素排出量の多い発電事業者に対し、排出量に相当する排出枠を有償または無償で割り当て、有償割当分について入札方式で決定される単価に基づき徴収されるものです。

GX推進法の特徴は、GX経済移行債により先行投資を進めた上で、その後は段階的にカーボンプライシングを導入し、企業のGX投資を加速させる点にあります。ただし、カーボンプライシングの水準設定や、競争力維持とのバランスなど、運用面での課題も指摘されています。

GX推進機構の設立

GX推進法は、脱炭素成長型経済構造への移行を一層推進するため、官民ファンドであるGX推進機構を設立することを定めています。

GX推進機構が行う主な業務は、以下のとおりです。

GX推進機構は、民間企業等によるGX投資を後押しするとともに、カーボンプライシング制度の適切な運用を通じて、GXを着実に推進する役割が期待されています。

  • 脱炭素成長型経済構造への移行に資する事業活動(対象事業活動)を行う者に対する金融支援(債務保証、出資、社債引受等)
  • 化石燃料賦課金・特定事業者負担金の徴収
  • 排出量取引制度の運営(特定事業者排出枠の割当て・入札等)

一方で、投資先の選定における公平性・透明性の確保や、民業圧迫への懸念など、機構のガバナンスに関する課題も指摘されています。これに対応するには、専門的知見を有する人材の確保や、適切なモニタリング体制の整備などが求められるでしょう。

GX推進法における課題

GX推進法は、日本の脱炭素化に向けた具体的な政策の枠組みを定めた画期的な法律ですが、いくつかの課題も指摘されています。

第一に、GX経済移行債の規模が十分でないという点です。政府は10年間で20兆円の先行投資を行う方針ですが、グローバルな脱炭素技術競争に勝ち抜くには、より大胆な投資が必要との意見もあります。例えば、米国のインフレ抑制法では、10年で50兆円規模のエネルギー投資が盛り込まれています。日本のGX投資規模では、国際競争力の観点から見劣りする可能性があります。

第二に、GX推進のスピード感に関する課題です。2020年代での研究開発が脱炭素技術競争の勝敗を分けると言われる中、2028年の化石燃料賦課金導入、2033年の排出量取引開始というスケジュールでは、日本企業の競争優位性確保が間に合わない恐れがあります。より前倒しでのカーボンプライシング導入など、スピード感のある施策展開が求められます。

第三に、カーボンプライシングの負担に関する課題です。GX推進法では、化石燃料賦課金と特定事業者負担金を上流の事業者に課す一方、最終消費者への直接的な負担はありません。負担を国民全体で広く薄く分け合うことで、脱炭素社会への変革に向けた国民的コンセンサスを醸成することも一案と考えられます。また、カーボンプライシングの上限設定が、GX経済移行債の規模を制約する可能性にも留意が必要です。

第四に、GX投資の”目利き力”の問題です。現状のGX基本方針では、投資先が抽象的な業種の列挙に留まっており、戦略性に欠けるとの指摘があります。脱炭素社会実現のための具体的なデザインを描き、真に必要な分野に集中投資していく、国家としての “目利き”が問われています。米国のように、EV普及に不可欠な充電インフラ整備など、より具体的な投資計画の提示が望まれます。

こうした課題に対しては、まずは脱炭素社会の将来ビジョンを明確に定め、そこからバックキャストする形で、GX推進戦略と投資計画を練り直す必要があるでしょう。加えて、投資先の選定プロセスの透明化や、国民各層を巻き込んだ議論の喚起など、課題解決に向けた不断の見直しが肝要と考えられます。

GX推進法の実効性を高め、日本の競争力強化と持続可能な脱炭素社会の実現につなげていくことが期待されます。

まとめ

GX推進法は、日本の脱炭素化に向けた具体的な政策の枠組みを定めた重要な法律です。GX推進法を理解し、積極的に活用することで、企業は脱炭素社会への移行を加速させ、国際競争力を高めることができます。また、個人も脱炭素社会の実現に向けた行動を起こすことで、持続可能な未来の構築に貢献できます。GX推進法の課題を踏まえつつ、官民が一丸となってGXを推進していくことが求められています。

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