養老2年(718年)に粟津温泉が北陸の地に開湯したのと時期を同じく創業し、1300有余年もの長い時間を愛されてきた「北陸 粟津温泉 法師」。かつては世界最古のホテルとしてギネスブックに認められていた北陸最古の宿であり、4つ星認定の温泉旅館として新しい時の流れに合わせたおもてなしにも定評がある。今回は支配人の阪さまに、老舗旅館としてのサスティナビリティへの取り組みや、レジルを導入したきっかけなどを伺った。
導入までの経緯
新電力を利用していたが電気代が一気に3倍に!
乗り換えるにも受け入れ不可が続くなか、信頼できる人からの紹介で利用を開始。
導入前の課題
・とにかく電気代を抑える必要あり
・価格が安いだけではなく、老舗旅館として環境に留意できるエネルギー供給が希望
導入後の効果
・数百万円単位でのコストダウンに成功
・削減された費用を人材確保や設備投資に回し、お客さまへのおもてなしを向上
法師家の口伝「みずから学べ」をモットーに、古きを大切にしながら、新しきものも取り入れていく
― こちらは北陸最古の旅館とお伺いしているのですが、どのくらいの歴史があるのでしょうか。
泰澄(たいちょう)大師がこの地で温泉を掘り当て、その弟子の雅亮(がりょう)法師に一軒の湯治宿を建てさせ湯守りを命じられたのが粟津温泉の始まりであり、「法師」の始まりでもあります。その一軒の湯治宿がまさに法師であり、雅亮法師を初代として1306年※の歴史を脈々と継承している温泉旅館です。
※2024年現在

法師 HOUSHIさま

― 1300年以上の歴史があると言われても、それが何時代で、その頃の日本はどんな感じだったのかなかなか想像ができないですね。
養老2年、718年に開湯しているので、時代でいうと奈良時代になります。奈良の大仏が完成したのが751年ですから、それよりもちょっと歴史が古いんですよ。貴族と庶民の身分差があったり、一般的な庶民は竪穴式住居に暮らしていたりなんて、実は私も歴史の授業で習ったという感覚でしかありませんが、そこから代々繋がって今に至ると思うと、働いていてなんだかすごいなって思ってしまいますよね(笑)。
― 湯治宿ということですが、最初からこのような旅館スタイルだったのでしょうか。
最初は病気やけがなどをされた方が湯に入ってそれらを治すという感じで、今でいう公衆浴場に宿泊できるところが付いていた程度であったと思います。それから時代を経て、1週間など少し長い期間を滞在するようになり、宿としての形がつくられていきました。1960年代中頃から徐々に規模が大きくなり、80年代でいまの形に落ち着いたという感じですね。
もちろん、1300年当時の建物は残ってないのですが、正面玄関にある丸窓と、庭の中央にある「延命閣」という貴賓室が今から100年ぐらい前の明治時代のもので、当館で一番古い建造物になるかと思います。両方とも国の登録文化財に指定されているので、昔ながらの風情も楽しんでもらえたらうれしいですね。

― ちなみに、温泉の効能としてはどうなのでしょうか?
粟津温泉は芒硝泉(ぼうしょうせん)、いわゆるナトリウム硫酸塩泉と言われているのですが、無色透明で肌ざわりも良く、飲泉もできるんですよ。飲むと胃腸にもいいと言われているので、飲んで良し、入って良しの温泉です。ぜひ、みなさまに堪能していただければと思います。

法師家の口伝「みずから学べ」の精神で「新しいもの」を取り入れていくことが重要
― とても歴史ある旅館だということは分かりましたが、そういう老舗と言われている旅館は保守的というか、それまで続いてきたものを変えないというイメージがあったのですが……。
確かに、そういうことはあるかもしれません。しかし法師家の口伝に「みずから学べ」というものがあります。いわゆる温泉の「水」と、自分自身の「自ら」を掛け合わせていて、さらに「自らを学べ」という3つの考え方があると言われているんです。水を通して、自分を通して、その時の時流を考えながら、古いものを大切にしつつ新しいものも取り入れていけということですね。代々与えられたものを減らさない、ということも言われています。
そのためにはどうしたら良いのか、歴代の法師家が繰り返してきたことがとても重要で、そこにしっかりとした芯があるから1300年以上もここで商いができていると思っています。47代の「法師善五郎」と話をしていると、私も一番強く思うところでもあります。
― だからこそ新電力の導入や、さらにレジルの導入へと繋がるわけですね。

コロナ禍や世界的な燃料費高騰で電気代が3倍に!大幅なコストダウンの実現と、その先にできることを見据える
― レジルのサービスを利用していただいたきっかけを教えてもらえますか。
電気はもちろん、ガスに重油、軽油とあらゆる燃料を使用していますし、その燃料費は莫大な金額です。どのくらいコストを抑えられるかはいつも考えていますし、新電力の制度が開始されたときには、かなり早い段階で取り入れました。しかしコロナ禍やウクライナ侵攻、世界的な燃料費の高騰などいろんな要素が重なったのか、それまでの電気代の3倍程度の請求をされるようになったんです。この界隈でも、これはすごいですね……なんて言われてしまうほどでした。
その時、別の電力会社へ相談もしたのですが受け入れできないと言われてしまったんです。困り果てているとき、レジルさんを紹介してもらったんですよ。そこからすぐに切り替えたわけではありませんでしたが、いろいろご相談させていただいて、双方が納得できる条件になったので、そこからお付き合いをさせていただいてます。
― 決め手になったのは、やはり料金でしょうか。
そうですね。料金は変動制なので、まぁ半分は博打みたいな気持ちだったんです(笑)。実際に始めてみたら、燃料費の削減効果が得られたので、本当にありがたいなって思っています。
削減できたコストは設備投資や人材確保に回し、お客さまの満足度を向上させることに成功
― 実際にレジルのサービスをご利用いただいてから約1年程度ですが、使っていただいてる感想などを教えていただけますか。例えば、浮いた費用の使い道など。
安定して燃料費を抑えることができるようになりましたので、抑えられた費用は設備を新しくする資金にできました。例えば露天風呂であれば、定期的なメンテナンスが必要なのですが、どこかで費用が削減できていないと投資まですることは難しいんです。利益を出す目途を立てることができましたし、経営を考える上では重要なポイントだと思います。
あとは人材の新規採用ですね。コロナ禍を機に、年配のいわゆる接待さんという方々が辞めてしまったんです。そこを補う若手の採用となると、やはりなかなか難しくて。採用活動に費用を回せたということができたのは、とてもありがたかったです。
― それまで「レジル」という会社はご存じなかったんですよね。利用に際して不安などなかったのでしょうか。
レジルさんは信用している方から紹介していただいたので、その方からの紹介であれば、初めての会社でも大丈夫かなと思いまして。やはり人のつながりや信用はとても大事ですし、お互いに助け合っていることって大きいと思うんですよ。
老舗旅館として、環境問題やSDGsには率先して取り組む。費用だけじゃない付加価値も重要

― 先ほど、レジルをお使いいただいたのは「半分は博打」と言われていましたが、残り半分の理由を教えていただけますか。
電気代のコストを削減できることは最重要でしたが、でも安くなるだけでは不十分かなと思っているんです。最近の需要として、環境に留意することはとても大切だと感じています。そういう面を、エネルギー供給の会社には求めたいと考えています。
その点でいうと、例えば石川県や小松市でSDGsの取り組み宣言などが始まっていますが、老舗旅館としてそういうところは率先して声を上げて、手を挙げて取り組むべきだと考え、実行しています。SDGsの中にもいろいろありますが、まず法師としてはプラスチック削減として、プラゴミをできる限り削減するように取り組んでいます。
― 当社も電気料金の削減以外に、非化石証書を用いた環境メニューとしてカーボンフリー、CO2の排出がゼロのエネルギーメニューを提供しているんです。
やはり、環境を考えている一企業として、価格面のメリットの他に、環境に留意された電力を提供してくれるということはとてもありがたいと思います。エネルギー価格の安定は最重要ですが、世界情勢とかありますからそこは例えば急に3倍になるか、めちゃくちゃな金額高騰はしないようにお願いしたいという希望はありますけれど、それだけではないことも大切にしたいですから。
環境問題にどう取り組めばいいのか。これからは情報発信もお願いしたい
― お願いや希望という話が出ましたので、法師さんから当社への要望などがあれば教えていただけますか。
エネルギー価格の安定と削減以外ですよね(笑)。そうなるとやはり、環境問題に対して私たち法師がどう貢献できるか、教えていただければと思います。
県や市が提唱していることはもちろん、これからも実践していくつもりではいるのですが、他にもできることはあるのか、どうやって取り入れていけばいいのかは、まだまだ足りていない部分があると思うんです。その時「こんな取り組みができますよ」という感じで提唱していただければ、どんどん環境問題は良くなっていくかなと思うんです。
― なるほど、私たちからも情報を積極的に発信することで、相乗効果が生まれる可能性は高そうです。これから一緒に頑張っていけるよう、努力してまいります。
まとめ
1300有余年の風格、登録文化財に指定された100年以上の歴史ある建造物、四季折々の風情が楽しめる登録文化物の日本庭園など、ため息が出るような日本の美しさが漂う「北陸 粟津温泉 法師」。日本最古参のひとつである老舗旅館でありながら、「みずから学べ」の精神に則り、新しいエネルギー供給などを積極的に取り込み、古いものも大切にし続けるという難題に向かい続けている姿勢に、まさに頭が下がる思いです。レジルも電力供給のパートナーとして肩を並べるべく、お客さまに満足していただけるよう邁進していきます。

※この事例は一例であり、すべてのケースで同様の結果を保証するものではありません。
北陸 粟津温泉 法師 HOUSHI
- 事業内容
- 宿泊業
- URL
- https://www.ho-shi.co.jp/