1300年もの歴史を誇る京都の伝統野菜・九条ねぎを、さらに「こと九条ねぎ」としてブランド化し、農業ベンチャーとして注目度の高いアグリビジネスを展開する「こと京都株式会社」。会社員から農業ビジネスに転身した山田敏之社長に、会社の成り立ちやSDGsへの取り組み、環境負荷を抑えた安定的な電力供給への期待についてお話を伺いました。
導入までの経緯
・当時レジルが所属法人の賛助会員であり、信頼できる会社であった
・SDGs推進に取り組む中、レジルの電力に切り替えるだけでCO2削減に貢献できることが決め手に
導入前の課題
・九条ねぎの通年栽培や加工設備の稼働により電気代が事業コストを圧迫
・コスト削減だけでなく、持続可能な農業のため、環境負荷低減に繋げられる企業との連携を希望
※レジルが供給する電気は再生可能エネルギー指定の非化石証書を使用することで、実質的にCO2排出量ゼロを実現しています。
導入後の効果
・電気代の削減に成功
・カーボンフリー電気※を使うことでSDGsを推進
個人農業からアグリビジネスへ。農家にしかできない「農業」の可能性を信じ、売上1億円を目指す

― 九条ねぎと言えば「こと京都」と言われるほど、今や代名詞的存在ですね。山田社長は以前会社員でいらしたと伺いましたが、農業への転身のきっかけを教えていただけますか。
家は先祖代々の農家でしたが、私は次男坊で、子どものころは手伝いをさせられていたので、将来は農業以外の仕事をしようと思っていました。しかし、母が交通事故に遭い、家業が立ち行かなくなった際、独立して何か仕事をしたいと考えていた私は「それなら私が」と農業を継ぐことにしました。
― 農業をビジネスとして捉えられたのですね。
はい。農業は農家にしかできない特別な職業であり、組織化すればビジネスになると確信しています。就農した際、年商1億円を目指すと目標を立てました。
ただ野菜を作るだけでは目標に届かない。試行錯誤の末にたどり着いた「ねぎ屋さん」稼業
― どのようにして目標達成に近づけたのですか。
農地はうちが持っている分だけで始めなければなりませんし、32歳からの就農なので技術の習得にも時間がかかりました。例えば、同じキャベツでも春と冬で作り方って全然違うんですよ。どうすれば今の自分の技術で売上目標を達成できるのか考えた結果、栽培するものの種類を絞れば、色々な野菜を作るより技術力向上も早いだろうと考えました。京都の農家なのだから京野菜を作るべきだろうという考えであったため、京野菜の中でも通年栽培が可能な九条ねぎに目をつけました。
― 就農後、すぐ九条ねぎの栽培に特化されたのですか?
いえいえ、まずは農業を体験し理解するのに2年掛かりました。3年目から九条ねぎ一本で約3年間続けた結果、売上は1,500万円ほどに増えましたが、目標の1億円には到底届きませんでした。需要と供給のバランスがありますから、ただ生産量を増やせば売上が増えるというわけではなく、作りすぎて野菜が余ると途端に値崩れしてしまうんです。考えた末に辿り着いたのが「ねぎ屋さん」への転換でした。
― 「ねぎ屋さん」というのは?
京都には収穫したねぎをカットしてラーメン屋さんなどに直接販売する「ねぎ屋さん」と呼ばれる方がたくさんいらっしゃいます。
ただ、京都の大手ラーメン屋さんには何十年もお付き合いしているねぎ屋さんがいますので、そこに入り込むのは難しいですし価格競争になると本末転倒じゃないですか。そのため、東京へ飛び込み営業に行ったんです。ラーメンのガイドブックを片手に街の隅から隅まで歩き回ってラーメン屋さんを見つけたら即飛び込んで売り込みを行い、需要を開拓しました。

― それが売上拡大につながったのですね。
はい。1,600万円だった売上が2,000万円になって、6,000万円、1億円になるまであっという間でした。その後会社を設立し、現在では創業7年目、年商20億円になります。
他の九条ねぎとの差別化をはかり、自社のねぎを「こと九条ねぎ」としてブランド化。BCP(災害時の事業継続計画)導入で災害対策も万全に

― 「こと九条ねぎ」というブランドについて教えてください。
農業は自然に左右されますし、同じ九条ねぎでも生産者によって品質が異なります。うちは原種の割合を50%以上に限定し、さらにできる限り新鮮で安全で美味しいねぎをお届けしたいと考えているため、生産地は京都の中でも丹後や美山など気温が低い地域を選んでいます。気温が低ければ育成のために余計な薬などを使わなくてもみずみずしいねぎが育つので、年間を通して品質の良いねぎを提供できます。
― 購入者にとってもブランド化していることで品質に対する安心感が得られますね。品質が保証されたねぎの安定供給は魅力ですが、一方でやはり、ここ最近の気候変動や自然災害でせっかく育てたねぎがダメになってしまうこともありますよね。
そうですね。うちでは災害対策として農業版BCPを導入し、安定供給を図っています。
数年前に2回、非常に強い台風で大ダメージを受けました。その経験から、業務拡大がリスク拡大にならないようBCPを策定して対応できるようにしたんです。農業業界ではまだBCP導入の事例が少ないのですが、うちがモデルとなって広がっていけばいいなと思っています。
点滴灌漑や被災地支援、農業の担い手育成支援などSDGsへの多角的な取り組み
― SDGsへの取り組みについて教えてください。
農業発展の面では点滴灌漑(てんてきかんがい)を取り入れています。これは、機械が自動的に水と肥料を供給するシステムです。また、ドローンを活用したスマート農業を実践しています。
また、京都は農家さんが減少しているので農業の担い手育成支援や独立支援を行っています。農業経験ゼロでも農家として独立できるまで指導し、独立後の支援もしています。
それに加えて、震災の被災地へ物資の支援や炊き出しも行っており、社員がとても頑張ってくれています。例えば2024年1月の能登半島地震では震災直後から炊き出しを実施しました。
― レジルへの切り替えもその一環ですか。
はい。もちろん電気コストの削減は重要課題ですが、やはりCO2削減への取り組みなどの話を伺い、ぜひ自分のところでも使ってみたいと思うようになりました。電気は専門外の私たちでも、レジルさんの電気を使うだけで環境に貢献できるというのであれば農業に携わる者にとって魅力的なことですよね。
― ありがとうございます。でも、当時のレジルはまだ名前も知られていない会社だったと思いますが、その点は気になりませんでしたか。
私は以前、日本農業法人協会の会長を務めていましたが、レジルさんは賛助会員になられていましたよね?法人の賛助会員であれば信頼できるだろうと思いましたし、それよりも環境への取り組みの方を重視していました。
しかも、当時使っていた電力会社さんと試算結果を比較して、レジルの営業さんから「それほど電気代としては差がつけられないのでこのままにしておきましょう」と言われたんですよ。ちょっとでも安くなるから変えましょうって言うのかなと思っていたら逆でしたからね。正直な会社だと思って、そんな会社ならお付き合いしていきたいと思い、一部ですが電気契約を変更しました。まだ導入したばかりですからこれからに期待しています。

将来的には蓄電も視野に入れた電力供給を期待
― これからのレジルに期待することはありますか。
電気料金を抑えるためには、電気の安い時間帯に利用するのが効果的だと思います。地域や契約プランにもよるのでしょうが、一般的には電気代は朝や深夜に安く、日中は高くなりがちですよね。でも、農業は日中の活動がメインですから、高い時間帯に多くの電気を使わなければいけません。そのため、安い時間帯に電気を蓄電し、日中に活用できるような取り組みをしていただけるとありがたいですね。
― 当社はマンション向け事業で防災用の蓄電池サービスを展開していますが、工場などへの転用はまだこれからです。
ぜひ、安い時間帯の電力を効率よく使って、全体の負荷を均等にできる仕組みを考えて欲しいです。もしそういった取り組みでテストが必要になれば、協力は惜しみません。
― それは心強いお言葉です!その際はテスト機をお持ちいたしますね。
まとめ
「こと京都株式会社」の山田社長は、32歳で会社員から農業へ転身し、挑戦を繰り返して年商400万円から20億円への成長を実現したアグリビジネスの先駆者です。九条ねぎを「こと九条ねぎ」としてブランド化し、SDGsへの取り組みも積極的に行っています。レジル電気の導入により、環境への貢献と電力コストの削減を実現。今後も新たな電力活用のかたちに期待を寄せられています。レジルは導入企業さまの満足度向上に向け、全力で課題解決に取り組んでまいります。

※この事例は一例であり、すべてのケースで同様の結果を保証するものではありません。